Windows 11にUpdateできないCPU世代なので
- 2年ちょっと前になりますが、現在使用しているPCをWindows 11化できるか調べたことがありました。結論としてはNGで、CPUを新しく...つまりマザーボード含めてPCを新しくするという結論になりました。
- NGの原因はTPM(*1)だったので、ほぼ単独動作の自宅用PCではモチベ上がらず、私はゲーマーじゃないので高スペックPCはいらないし...とウジウジ考えていたところ、PCを新しくしたい/高性能PCが欲しい理由が最近見つかりました。
- その理由は、LLM(Large Language Models)を使いたくなってきたというものです。
- 荒っぽく作ったコードのリファクタリング
- コードの言語移植
- 普段書かないプログラミング言語でのコード生成
- 習得が浅いプログラミング言語の家庭教師役
- 駄目なときはゲームの世界に足を踏み入れる...いや...目がつらそう...。
主要パーツ選び: LLMに必要なのは潤沢なVRAM
- ローカルPCでLLMを動かすには、量子化でサイズダウンさせてもVRAM 8GB以上は必要です。小さめのLLMでもVRAM 16GBは欲しいと感じるので、GeForce RTX 4060 Tiを選ぶことになるでしょう。4070 Tiの16GBはちょっと手が出ません。
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MSI GeForce RTX 4060 Ti VENTUS 2X BLACK 16G OC
・GeForce RTX 4060 Ti: 16GB,1080p
・PCIe 4.0×16
・8pin x 1 補助電源コネクター
・199 x 120 x 42 mm ...2スロット占有...
・\80,000 程度...これが拡張ボード一枚の価格なのか...
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- グラボのVRAMをLLMに全振りするケースを考えてグラボ以外の画面出力も準備するので、GPU内臓のCPUを選びます。また今回はAMDのCPU決め打ちです(*2)。現在のところデスクトップ向けのRyzenではNPU搭載版が無い(*3)ため、ここは普通にRyzen 7でL3キャッシュ大きめを選びます。探すと下記になりますが、末尾XなのでCPUクーラーは別途購入になります。
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AMD Ryzen 7 9700X BOX
・ソケット: AM5
・TDP: 65W ...思ったより低くて素晴らしい(使用プロセスの勝利)
・内蔵GPU: Radeon Graphics
・PassMark: 37352, Max Freq: 5.5GHz
・\61,000 程度
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- 9000シリーズのRyzenを選んでしまったので、必然的にチップセットは800シリーズを選びます(*4)。するとフォームファクターもATXに。こんなデカくて高価なマザーボードを選ぶのは初めて。
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ASRock X870 Pro RS
・Graphics: PCIe 5.0x16 ...接続予定グラボはPCIe 4.0x16...
・M.2ストレージ: PCIe 5.0x4
・Network: 2.5GB LAN, WiFi無し
・画像出力: HDMI 2.1x1, USB4x2 ...使用ディスプレイは1920x1080...
・\42,000 程度
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- 真面目な性能検討が必要な最後の主要パーツは電源です。ざっくりと消費電力の合計(定格消費電力)を計算すると415Wになります。
CPU: AMD Ryzen 7 9700X
Graphic: GeForce RTX 4060 Ti
Storage: M.2x1 + HDDx3
Memory: 2ch
Optical Drive
Mother Board
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+ 65W
+ 165W
+ 100W (=25Wx4)
+ 10W (=5Wx2)
+ 25W
+ 50W
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合計 |
= 415W |
- 全てのリソースを同時に使用することはほとんど無いので、普段は定格消費電力の70%程度...つまりで290Wを通常消費電力とします。そして電源は一般に負荷率50%が最も効率良く変換できる傾向にあるので、通常消費電力290Wの2倍程度の容量...600W程度の電源を選ぶことになります。
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玄人志向 KRPW-GK650W/90+
・80PLUS GOLD
・ATX電源 650W
・プラグインタイプ
・PCIe系全て8pin出力が好印象
・\11,000 程度
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あとは流れで決まるパーツですが
- あとは流れで決まるもの...HDD系ストレージ/光学ドライブは流用するので、その他の部品です。3.5inch HDD多いのが微妙に効いています。OSもパッケージ版とDSP版の差が見えません。
240mm 水冷CPUクーラー
M.2 PCIe 5.0x4 2TB
DDR5 CUDIMM 8GBx2
ミドルタワー筐体(ATX対応)
Windows 11 Home
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+ ¥13,000
+ ¥50,000
+ ¥24,000
+ ¥20,000
+ ¥18,000
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合計
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= ¥125,000
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大体揃いましたね。主要パーツと並べて合計を見ると30万円を少し超えてきます。衝撃が...。
グラフィックボード(GeForce 4060 Ti 16GB)
CPU(Ryzen 7 9700X)
マザーボード(ATX X870)
その他部品/OS
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+ ¥80,000
+ ¥61,000
+ ¥42,000
+ ¥125,000
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合計
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= ¥308,000
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- さて、この価格をどう見るかですが、ゲーミングPCとして同じスペックを買うとすれば31万円は安いでしょう。ただ、ゲーミングPCにX870チップセットを使うのはアンバランスですね。600シリーズチップセットなら買えそうですし。
- すると「LLMを動かす」ことを自分がどれほど楽しめるかが鍵になってきます...覚悟ってやつですね。しばらくすると賞与の時期になるので、その際「熱狂度」が維持されていれば動いてみようかと思います。よっては現状は妄想扱いです。
ちなみに普通に買った場合
- ちなみに、ただWindows 11化だけを考えた場合ですが、Ryzen 7は同じにするとしてグラボ不要なことからいろいろ変わってきます。
CPU(Ryzen 7 8700G + CPU Cooler)
マザーボード(microATX B650)
M.2 PCIe 4.0x4 512GB
DDR5 UDIMM 8GBx2
ATX 500W 80PLUS SATNDARD
ミドルタワー筐体(静音/microATX対応)
Windows 11 Home
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+ ¥54,000
+ ¥14,000
+ ¥7,000
+ ¥10,000
+ ¥6,000
+ ¥11,000
+ ¥18,000
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合計
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= ¥120,000
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- こんな感じですね。半分以下です。しかしながら途中で後悔してしまうと高く付きます...。でも実はOfficeとVisioもどうにかしたいので困っています。う〜ん...やはり仕方ないので先に書いたように1.5ヶ月後の自分に判断を委ねようと思います。
ちなみに普通に買った場合2 (2024/11/10追記)
- 考えてみると現状でもCPUパワー不足で困っていません。TPMの問題が無ければそのままWindows 11化しようと思っていたぐらいです。激しく演算させるアプリケーションを使わない場合、メモリとストレージに気を配る方が幸せでしょう。
- そしてメモリは16GBあれば十分ですし、システムドライブもM.2 SSDでしょうから問題ありません。
- 実はあまり問題を感じていなかった現行CPUは Core i7-3770S です。現在使用しているCPUを含めてPassMark値とパーツショップで入手できるCPUの価格を比較してみました。

Figure 1: PassMark値と価格の比較
- 現CPUのPassMark値が6,182で、2012年のCPUと考えれば結構良い値です。今回考えているCPUラインナップでは最低でも20,000を超える状況なので、何でも良いと言えます。Core UltraはTDP 125Wなのでご参考。
- 見てわかるように価格と性能にはきれいな相関があります。AMDよりIntelの方が少し性能良い傾向(*5)にあります。これを見るとOver Clockをしないのであれば、14世代Intelも良いと言えますね。
- 次は現行使用CPUを基準(1.0)とした性能比と費用対効果比です。

Figure 2: 性能比と費用対効果比
- High-end CPUに拘らなければ、費用対効果(性能)が最も良いRyzen 5 8500Gで決まりでしょう。性能十分。
- CPUパワーには困っていないと言いつつも、もう少しサクサク動いて欲しいアプリもあるので、ちょっと欲を出してHigh-end CPUを狙った場合、Figure 2を見てCore i7 14700も結構良いのではと思い始めました。
CPU(Ryzen 7 8700G + CPU Cooler)
マザーボード(microATX B650)
M.2 PCIe 4.0x4 512GB
DDR5 UDIMM 8GBx2
ATX 500W 80PLUS SATNDARD
ミドルタワー筐体(静音/microATX対応)
Windows 11 Home
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+ ¥54,000
+ ¥14,000
+ ¥7,000
+ ¥10,000
+ ¥6,000
+ ¥11,000
+ ¥15,200
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CPU(Core i7 14700 + CPU Cooler)
マザーボード(microATX B760)
M.2 PCIe 4.0x4 512GB
DDR4 DIMM 8GBx2
ATX 500W 80PLUS SATNDARD
ミドルタワー筐体(静音/microATX対応)
Windows 11 Home
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+ ¥56,000
+ ¥11,000
+ ¥7,000
+ ¥10,000
+ ¥6,000
+ ¥11,000
+ ¥15,200
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合計
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=¥117,200
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合計
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=¥116,200
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- もう少し考えてみることになりそうです。
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