USB-DACとPCオーディオ(4)
         
         2018/07/07
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        CD品質のミュージックライブラリ
        
          - 前回のレポートにて、最初からネイティブのハイレゾ音源データを扱うのはあきらめて、まずはCD品質のデータを揃えることにしましたが、MP3やAACのような非可逆圧縮フォーマットではなく、FLACフォーマットで揃えるのがお勧めです。
 
           
          - CD内のPCMデータをそのままファイルに落としたものがWAVフォーマットです。CD品質のライブラリを作る場合、普通ならWAVフォーマットが音源データになりますが、ここでFLACフォーマットを勧めるのは下記理由です。
            
              - アルバムアートやReplaygain等のタグデータを登録できる
 
              - 可逆圧縮データであり、WAVより30%程度データサイズが小さい
 
              - 現在のハイレゾデータはFLACフォーマットが中心のため、入手後の管理がスムーズ
 
             
           
           
          - 今時のHDDでは、最早WAVフォーマットのサイズも気にならないと思うので、「タグ情報の埋め込み」がFLACの最も良い点になると考えています。
 
         
         
        FLACフォーマットへの変換
        
          - FLACのエンコーダ/デコーダはFLACのホームページからダウンロードできます。foobar2000への組み込みはGoogle先生に聞いてください。FLACデータの再生、所有するWAVデータのFLAC変換、Ripping時のFLAC変換もfoobar2000上で全て行なえるようになります。
 
           
          - もし既に大量のWAVファイルを持っている場合ですが、FLACのエンコーダ/デコーダは単独のコマンドとして使えます。先ほどダウンロードした flac.exe をパスの通った場所(*1)に置けば良いです。下記は実行例ですが、引数にワイルドカードを使えます。1曲あたり2,3秒で変換されます。
            
>flac *.wav
flac 1.3.2
Copyright (C) 2000-2009  Josh Coalson, 2011-2016  Xiph.Org Foundation
...(略)...
01. A Head Full of Dreams.wav: wrote 28346783 bytes, ratio=0.718
...(略)...
12. Miracles.wav: wrote 28324078 bytes, ratio=0.683 
              
          
        
         
        ネットワークへのUSB-DAC組み込み
        
          - USB-DACはPCやスマホのPCM出力をDA変換する機器なので、Figure 1のような使い方が基本になります。
 
            
          Figure 1: USB-DAC接続基本形 
           
           
          - ですがUSBで接続できる、すなわちUSB-DABをPC周辺機器の一部とみなした場合、その運用方法にはかなりの自由度をもたせることができます。
 
           
          - 例えば、ミュージックライブラリがプレーヤーとなるPCではなく、別のサーバ/NASに置かれている場合でもプレーヤー側のPCからアクセスして取り出すことができます。プレーヤーのPCは再生ソフトさえあれば何でもOKということです。
 
            
          Figure 2: ミュージックライブラリがネットワークサーバ上にある 
           
           
          - USB-DACはオーディオ機器としてリスニングルームに置きたいので、PC関連機器を離したい方もいらっしゃるでしょう。この場合スマホにミュージックライブラリを持たせてBluetooth経由でデータ送る方法を取ることができます(*2)
 
            
          Figure 3: スマホから再生 
           
           
          - FLACデータは大きいので、スマホ内のストレージに置きたくない場合、ネットワーク経由でミュージックライブラリにアクセスし、そのデータを再生(*3)すれば良いです。ちなみに私が想定しているリモート運用の形はこれです。
 
            
          Figure 4: スマホからネットワーク経由でミュージックライブラリへアクセス 
           
           
          - PCMデータレゾリューションの関係でBluetooth経由ではなく、やはりUSB経由で接続するも、音楽鑑賞時にPCをいじるのが嫌な場合、スマホをコントローラとしてプレーヤーPCにアクセスする方法があります。スマホは多機能リモコン扱いです。
 
            
          Figure 5: スマホからプレーヤーPCをコントロール 
           
           
          - もちろん今まで同様にミュージックライブラリを別のPCやファイルサーバに置くことができます。この場合USB接続でUSB-DACの隣に置かれているPCをプレーヤー専用とすることで小型/低消費電力(無騒音)化することが可能です。例えばファンレスの小型ベアボーンPCを使用する(*4)等です。
 
            
          Figure 6: プレーヤー専用PCからネットワーク経由でミュージックライブラリへアクセス 
           
           
          - 紹介するバリエーションとしては最後になりますが、専用PCを作成するのは予算的にちょっと...という場合、USBデバイスサーバを使って、ネットワーク経由で仮想的にUSB接続するという方法があります。プリンタがネットワーク対応していなかった頃、ネットワークでプリンタを共有するときに使っていた方法です。
 
            
          Figure 7: USBデバイスサーバ経由でネットワーク越しにプレーヤーPCへUSB接続 
           
           
          - 今回紹介した組込例は、ポータブルアンプレベルのUSB-DACでも使える内容です。
 
           
          - 恐らく一部の方は「だったらネットワークオーディオを使えば良いのに」と思われたことでしょう。実は私も最初は考えました。ですが、ネットワークオーディオはプレイヤーの機能を持っているので、アナログコンバート対象のPCMデータが完全にBlackBoxになると思い、それを避けたというのが理由です。
 
         
         
        最後に
        
          - オーディオと言いながら、ほとんど聴き心地の話には触れず、ひたすらデジタルの側面からレポートをまとめました。
 
           
          - 今回USB-DAC購入をきっかけにPCオーディオについて調べたわけですが、私にとっては新しい世界の話で楽しみながら書けたと思います。同時に歴史の長いオーディオファン文化の独特な部分も垣間見れた気がします。
 
           
          - これらのレポートが、私と同じような疑問/興味を持っている方の役に立てば幸いです。
 
         
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        Notes
        
          - パスという言葉がピンと来ない場合、単独コマンド運用は避けた方が良いです。foobar2000のGUIで変換して下さい。
 
          - ハイレゾ対応を謳っているスマホは標準の再生ツールがFLACに対応しています。またそうでない場合もFLAC再生のアプリをダウンロードすればOKです。
 
          - 私の場合スマホ標準プレーヤーアプリがFLACをサポートしていたため、使用しているファイラにLANアクセス機能をつけるだけでOKでした。
 
          - USB-DACによっては接続PCのOSを選ぶので注意下さい。例えば私の購入したUSB-DACの場合Windows/MacOS/Ubuntu Studio以外だとチャレンジになりそうです。
 
         
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